英語の音の変化 6 Rulesとは何か
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米国の口語文法と文語(規範)文法では、文法規則の厳格さが大きく異なります。
文語文法では、主語、述語の明確化、語順、時制の選択等、厳格に規定されています。
ところが口語英語の文法、つまり日常的な会話においては、その規則は大幅に緩和されているのが実態です。
ESLである我々は、それらを学ばずに英語のListeningSkillを向上させる事は不可能です。
今回は、米国の口語英語における音の変化の規則の6種類をまとめてみました。
口語英語の音の変化 6 Rules
1 Contraction 単語間の音の収縮という概念は、表記の簡略化として生じたものですが、これは口語の範疇であり、厳格な文語文法ではinformalとされています。
2 Reduction 子音・母音の脱落は、米語にて一般的にも良く知られた事象ですので、説明は省きます。
3 Linking 単語間の音の結合は、米語の特徴として有名ですが、文語では有り得ない概念であり、口語というよりも方言と言うべきものかも知れません。
4 Word Stress 単語内の音の強弱については、文章内ではContent Wordならば保存されますが、Grammar Wordでは、弱化します。
5 Sentence Stress 文章内の音の強弱の項目についても、Stress Timed Languageの特性として知られている概念ですが、Remarks欄の説明は、英語の実験室仮説です。
6 Degeneration 子音・母音の縮退の項目は、概念としては知られているのですが、縮退と呼ぶのは初出であろうと思います。これも、3 Linking 同様に方言と考えた方が適切かもしれませんし、或いは単なる発音の失敗かも知れません。
実際には、この分類ではまだ不十分と思われますので、調査は継続します。
Sentence Stress makes stress free?
前章で、英語の実験室仮説を、提出しました。それについて、補足します。
・英語にはWord Orderという厳格な文法規則によるエラー訂正機能(Error Correction System)が存在する。
・即ち、Grammar Wordは推測容易性が高く、Context Clues (文脈推測)による復元も可能。
・それらが転じて、Stress Timed Languageである英語においては、発音容易化という手抜きの文化(モゴモゴ文化)が発生したと推測される。
英語はモゴモゴ文化であり、Mora Timed Languageである日本語はハッキリクッキリ文化であると言えます。
そのハッキリクッキリ文化の特性により、我々日本人は100%の音の聞き取りが当然と考えているのですが、その概念は英語では通用しません。
その考えを捨て去り、95%程度の聞き取りでOKとして、後はWord Orderというエラー訂正機能とContext Cluesにより、我々は文章復元処理を実行しないといけません。
ESLのListening目標到達地点
我々ESLにとって、英語のListeningという最難関の難敵を攻略する為には、前掲の知識を頭に入れて置くことが必要条件です。
そして、我々の目指すものは、
「目の前に、英文が見えてくること」
それが、目的地です。
お勧めLink
モゴモゴバスターとは、Transtream LLC社にて開発された、英語の音声変化を聞き取るためのリスニング教材です。音がつながる、音が弱まる、音が脱落する、隣同士の音が変化し合う等々の英語の音声変化原則を16パターンにまとめているそうです。
Prof.V.P..Rajappan氏のBlog記事、What is vowel reduction in English speech? を紹介します。
この投稿では、 「母音短縮の原則にて...中略...すべての母音は中心母音に短縮される。」という原則が述べられています。